今回は発注先も決定し、実際にプロジェクトが始まってからです。前回も述べましたがプロジェクトの失敗とは主に品質が悪い・コスト超過・納期の遅延・目的の未達成の4項目になります。これらを引き起こさないためのプロジェクト進行のポイントを紹介します。
1.プロジェクト計画書をつくろう。
実際にプロジェクトが立ち上がったらプロジェクト計画書を作りましょう。ここでは
- プロジェクトのゴール
- 作業スコープ
- 納期、納品物
- 成果物の取り扱い
- コミュニケーションルール
などを定義します。ここがプロジェクト関係者全員の拠り所となりますので、きちんと作成して共有しましょう。
2.デザインを好みで判断しない。
経験上、一番スケジュールの変動が多いのがデザイン制作です。デザインは目に見えやすいので誰でも意見が言いやすく、様々な意見が飛びかいがちです。
そんな時はプロジェクトのゴールを思い出し、どんなターゲットにどんな情報・サービスを提供するか、それに適しているかという視点で検討をするとよいでしょう。
また、どうしても満足のいくデザインがあがってこないという事もあるでしょう。何度もリテイクを繰り返すのはお互いにストレスになり、プロジェクトにも悪影響をきたしかねません。
経験上この場合は担当デザイナを変えてもらうか、相談してデザインのみ発注先を変えるのが結果的に時間をかけずにいい方向に進む最善策だと思います。
3.無茶な依頼は自分のくびを締める。
ビジネス上、どうしてもずらせないスケジュールはあると思いますが、制作期間の圧縮は品質の低下やエラー発生のリスクをはらみます。
何かトラブルがあれば、制作側のミスであっても社内的な責任を負う事になりますし、お客さんに迷惑をかければ自社の信頼を失うことにもなりかねません。依頼事項と期間・難易度の妥当性は自分で判断し、プロジェクトのどこかに偏った負荷がかかっていないかを常に意識するようにしましょう。
4.コンテンツを軽視しない。
WEBサイトを制作しているとどうしてもデザインや機能に目を奪われがちですが、そこで提供されるコンテンツの量・質でWEBサイトの価値は大きく変わります。
正直、デザインはきれいなのに中身の薄っぺらいWEBサイトを見かけることは多くあります。デザインや機能はプロである制作会社にまかせて、自社ではコンテンツの制作に力をかけるとよいと思います。
5.定期的に進捗確認をしよう。
WEBサイトの制作は3カ月以上かかることがほとんどです。期間の長いプロジェクトは納期間際になってから制作が間に合わない、必要なタスクが抜けていたといった事が起こりがちです。
とはいってもWEB制作の細かな工程はなかなか分かりづらいと思うので、要件定義やデザイン確定といったマイルストーンを立てて、定期的に進捗とその後のスケジュールの妥当性やプロジェクトゴールを満たすものになっているかを振り返りながら進めていくとよいでしょう。
細かな点をあげればまだまだあるのですが、特に重要な点・トラブルに陥りがちなポイントの絞ってみました。
受託開発はすでに品質分かっている既製品を買うのとは違い、発注側のスキルや進め方などによっても品質が大きく変わる事になりますので、せっかくの時間とお金のを無駄にしないためのプロジェクト進行をしたいですね。